先日、近所の快活CLUBに立ち寄った時のこと。
快活CLUBとは、俗に言うネットカフェである。
ドリンクバーの飲み放題、さらにはカラオケ、ビリヤード、シャワーなども店舗によっては設置されており、値段も安く満足感が存分のまさにネカフェ界のPortal。
そんな快活CLUBのドリンクバーを利用しようとした際、あるものに気が付いた。
ファミレスやカラオケなどに置いてあるドリンクバーはいつも利用しているが、アクエリアスが飲めるドリンクバーというのは初見である。
最初見た時は「珍しいな〜」くらいにしか思っていなかったが、思い出す度に印象が変わってくる。
普段オレンジジュースやコーラをがぶがぶ飲み荒らすための機械の1スペースに、ぽつんとスポーツドリンク。
なんか、気持ち悪い。
アクエリアスそのものに気持ち悪さを感じているのではない。アクエリアスが佇むその環境に気持ち悪さを感じてしまっている。
誰とも仲良くできるオシャレな若者達が集まるクラブに、一人白Tシャツを着たスポーツ刈りの中年男性が混じっているような気持ちになってしまう。
別にアクエリアスが嫌いな訳でもないし、こんな事で騒ぐなという声も聞こえてくる。本当にすみません。
ただ、飲む?????
あのラインナップからアクエリアスを押す??????
アクエリアスって基本スポーツなどの運動をした後に飲むものであって、こんなダラダラ寝転んで漫画読むところで飲むものではない。CMに出てた大谷翔平も多分「ぐらんぶる」読みながらリアルゴールド飲んでる。
ちなみに快活CLUBはフードも豊富に揃っており、ポテトやナゲットをお供にコーラを喉に注ぎ込むのがこの夏ギャルも大注目の最新トレンドなのである。
ポテトとアクエリアスて笑
ギャルもきっとこう言うに違いない。
とにかく、ドリンクバーに堂々と佇むアクエリアスが気になってしょうがない。
どんなに楽しい事があっても、不意にこの言葉を思い出せば顔を曇らせてしまう。
本当に快活CLUBにはアクエリアスがあるのか
散々アクエリアスがドリンクバーのスタメン入りをしている事に愚痴をこぼしてしまった(ドリンクだけに)が、もしかしたら近所の快活CLUBだけがドリンクバーにアクエリアスを置いていて、他の店舗では置いてないのかもしれない。
狭い範囲や自分の憶測で物事を判断し、事実を決めつけるといつか煮え湯を飲まされることになりますね。(ドリンクだけに)
という訳で、他の快活CLUBの店舗へ調査。
実際に県内にある快活CLUB11店舗に訪れて、ドリンクバーにアクエリアスがあるのかどうかを確かめてきた。
アクエリアスを確認する為に車を回し、駐車場が無い店舗には電車で向かい、ドリンクバーの写真を撮っては次の店舗へ向かう様子はまさに暴走スタンプラリー。
しかし着実に店舗に通い詰め、11店舗を回り終えた結果、
10店舗でアクエリアスが確認できた。
なんと、快活CLUBのドリンクバーにはほとんどと言っていいほどアクエリアスがあることがわかった。
行く店舗行く店舗にアクエリアスがあるので少し引いてしまった。しかし今回の調査で快活CLUBにはアクエリアスがあることがわかった。
11店舗回ったんだからさすがに全国にもきっとある。あるよね。めでたしめでたし。
あった。
アクエリアスは天下の台所、大阪でも確認することができた。
地方ローカルのノリなのではないかと正味ハラハラしたが、そんなことはなく全国どこでもアクエリアスがあるということが判明した。
「ほなそういうデータあるんかいな」と関西ひろゆきに論破されかけたが、無事確証を得ることができた。
やはり、快活CLUBのドリンクバーにはアクエリアスがある。
なお途中に寄ったサイゼリヤのドリンクバーには、アクエリアスの姿は無かった。
今となっては、アクエリアスがないドリンクバーは少し寂しく見える。
しかし、一つ気になる点がある。
アクエリアスが無かった一店舗は何だったんだ、という話である。
まず、快活CLUBのドリンクバーは大きく分けて「ディスペンサータイプ」と「自動販売機タイプ」の二つのタイプがある。
↑ディスペンサータイプ(ボタン式)のドリンクバー
今回訪れた12店舗は全てがディスペンサータイプで、自動販売機タイプは一つもお目にかかることができなかった。
調べてみると自動販売機のタイプは静岡や関東地方に多く設置されていて、そこにもアクエリアスはあるという噂である。
またディスペンサータイプのドリンクバーには、ボタン式とタッチパネル式に分かれる。
↑タッチパネル式のドリンクバー
タッチパネル式のドリンクバーは駅前など利用客が多い場所に設置されていて、既存のドリンクにレモンとメロンのフレーバーをミックスできる機能も付いているハイテクマシン。
アクエリアスメロンとかいうキメラドリンクを飲めるのもタッチパネル式の快活CLUBだけである。
↑「運動も出来るオタク」みたいな味がした
そのタッチパネル式を差し置いて今回注目すべきなのがボタン式のドリンクバーである。
店舗を回って気づいたのだが、快活CLUBのドリンクバー、どこもボタンの配置が同じである。
店舗によってはコカコーラの配置が少しズレていたりするが、上の図のような配置はボタン式のドリンクバーでほとんど統一されている。
余談だが「セイロンティー」と「アイスティー」 の表記の違いはあったが味は全て一緒で紅茶花伝のアイスティーであった。どのように表記を分けているのだろうか。
そしてアクエリアスは中央列の一番下に構えている。さすが我らがアクエリアス、「縁の下の力持ち」と言ったところか。
そもそもドリンクバーには製造してるテンプレートの型のようなものがあり、快活CLUBはこの型のディスペンサーを一括で購入し統一してる可能性もある。
「ボタンの配置ィ?」「どうでもいいぜ・・・」と思ってるクールキャラの方もいるかもしれない。しかし、この法則が重要な事実を指し示していた。
ここでアクエリアスが唯一なかった店舗のドリンクバーを見てほしい。
そう。
アクエリアスがあるべき場所に「スプライト」がある。
スプライトは、アクエリアスと同じコカ・コーラ社が販売しているレモンライム風味の炭酸飲料である。
そんなスプライトが、この店舗だけアクエリアスに代わって用意されている。
確かにスプライトはアクエリアスに比べると炭酸飲料でユーモアもあり、ドリンクバーにあったとしても特に疑問は抱かない。
しかしその場所はアクエリアスのポジション。新参はとっととガストに行くべきである。こんな偶然、特に気に掛けることもない。
・・・本当に偶然なのか?
快活CLUBの公式Youtubeに上がっている動画のとある部分を見てほしい。
この部分、よく目を凝らして見ると・・・
そこにアクエリアスの姿は無く、代わりにいるのはスプライトである。
なんと公式で「快活にはアクエリアスはありません」と言っているようなものである。
そしてこの動画が公開されたのは2年前。スプライトは2年前から快活CLUBのドリンクバーに存在していたのだ。
さらにTwitterで「快活 ドリンクバー」で画像検索をかけてみると、スプライトはあるがアクエリアスが無いボタン式のドリンクバーの写真を上げてる方を何人か見つけることができてしまった。
快活CLUBのドリンクバーには、スプライトもあった。
今回巡った快活CLUBでは、全ての店舗で確認することができなかったドリンクが2つあり、それがアクエリアスとスプライトである。
上の通りタッチパネル式のドリンクバーだとスプライトとアクエリアスどちらも飲むことができる。
しかしボタン式となるとどちらも設置されているドリンクバーは残念ながら存在せず、中央列一番下の残り一枠がアクエリアスかスプライトか、ということになる。
現在はアクエリアスのドリンクバーが多いように思えたが、スプライトのドリンクバーがあるのも事実。
いつアクエリアスがドリンクバーから姿を消してもおかしくない。
驚くことに、ボタン式のドリンクバーがある快活CLUBではアクエリアスはスプライトというライバルと残り一つの枠を店舗ごとに争っていた。
なぜ快活CLUBのドリンクバーにはアクエリアスがあるのか
ここまでアクエリアスの驚異的な繁殖力を見せつけられてきた。スプライトは他の店でもよく見かけるが、アクエリアスがあるのは快活だけである。
なぜ快活CLUBのみ、ドリンクバーにアクエリアスがあるのだろうか。仮説を立ててみようと思う。
(1)快活CLUBの偉い人、アクエリアス大好き説
ドリンクバーには珍しいアクエリアスを置いているのだから、よっぽど快活CLUBの偉い人たちはアクエリのことが大好きなのだろう。だから「この会社ではアクエリアスを採用しよう」とドリンクバーを統一するように特権を振りかざしているのではないか。
調べてみると、快活CLUBを運営しているのは「株式会社快活フロンティア」であり、スーツで有名な「AOKI」の子会社らしい。かなり意外。
そして快活フロンティアは快活CLUBの他にも「快活CLUB fit24」というフィットネスクラブや「コート・ダジュール」というカラオケも運営している。
もし快活フロンティアの偉い人が好きすぎるあまりドリンクバーにアクエリアスを投入しまくるアクエリ厨だとしたら、他の運営先のドリンクバーにもアクエリアスが置いてあるのではないか?
というわけで、コートダジュールにやって来ました。
無かった。
快活フロンティアにアクエリ厨はおらず、快活CLUBにのみアクエリアスを置いていたのだった。
しかし上層部が特権を振りかざして社員達にアクエリアスを強制するアクハラが行われていなくて本当によかった。
煽られた。
(2)アクエリアス、快活CLUBで飲むのに適している説
散々ネカフェにはアクエリアスは合わないと言ったが、アクエリアスの事を自分は何もわかってない。もう一度、アクエリアスについて深く学ぼうとしようではないか。
と、意気込んで調べるとこんなものを見つけた。
アクエリアスはいつ飲むとよい?|日本コカ・コーラ お客様相談室
激しい発汗を伴うスポーツから、寝起き、仕事・勉強中や風呂上りといった日常生活における喉と体の乾きを、さっぱりとした後味でうるおします。
寝起き、仕事、勉強中・・・
快活CLUB|快活CLUBはシェアリングスペース業態です。|インフォメーション
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快活CLUB|【一部店舗】シャワー -15分無料- でご利用いただけます!|インフォメーション
激しい発汗を伴うスポーツ・・・
快活CLUB|快活CLUBのサービス -快活CLUBを使いこなす-
ピッタリだった。
ダーツやビリヤードで汗を流すかは置いといて、自由度が高く日常生活に溶け込みやすいネットカフェこそアクエリアスを飲むのに相応しい場であった。これなら快活にアクエリアスがあっても誰も文句は言えないだろう。
アクエリアスこそ、快活CLUBで飲むべきドリンクだった。
それと一応、快活CLUBのホームページになぜアクエリアスを置いているのか、ドリンクバーの飲み物はどのように決めているのかという旨の問い合わせをしてみた。
返ってきた回答によると、ドリンクバーの飲料については店舗に設置しているドリンクマシンのタイプに応じて本社の担当部署にて決定しているらしい。
要は本社のドリンクバー担当の人達がアクエリアスを設置するかしないか決定しているのだと思われる。
ちなみになぜアクエリアスを置いているかについての答えは何故か無かった。
ここまでアクエリアスと快活CLUBの切っても切れない関係を解き明かしてきた。いささか理解は深まり、アクエリアスが快活CLUBにだけある理由も見つけることができた。
だが自分とアクエリアスの壁は未だそびえ立っている。いくら快活CLUBとアクエリアスの相性が良くても、飲む側の気分でどうにでも言えるのだから。
しかしアクエリアスという呪縛から解放されなければ、今後も快活CLUBでアクエリアスを飲むこともないだろうし、未だ頭に棲みつく違和感のモヤモヤは晴れることはないだろう。
ちゃんとアクエリアスと向き合わなくてはいけない。
俺は快活CLUBで、お金を払って2Lのアクエリアスを飲み干す。
もちろん、この店舗にもドリンクバーはある。コーラもあるし、ジンジャエールもあるし、そしてアクエリアスもある。ここは無料でアクエリアスを好きな量飲んでいい施設なのだ。
しかし無料のアクエリアスを飲んでも心は動くわけが無い。アクエリアスに価値を生んでこそ、ドリンクバーにいるアクエリアスも報われるのではないか。
そう思い、スーパーで168円のアクエリアス2Lを購入し、ブースに持ち込んできた。(快活CLUBは持ち込み自由)
左が無料のコーラであり、左が168円で購入したアクエリアス。どちらがより快活CLUBで飲みたくなるかなど明白である。
快活CLUBで飲むアクエリアスの感想、普通に美味い。 スポーツドリンク特有ののどごしで漫画を読みながらでもスラスラ体内に入っていく。立証した通りアクエリアスはネットカフェでこそ輝く。これが飲むコンディションメイクなのか。
そして快活CLUBでは最初に書いた通り、フードが有名である。
試しにポテトを頼んでみた。
これまた意外だが、ポテトの塩気とアクエリアスの程よい甘みがとてもマッチしている。
味の濃いバター醤油味のポテトの間にアクエリアスを飲むと一気に口の中がリセットされ、無限にポテトを食べることができる。オレンジジュースやコーラには出来ない芸当であり、ポテトに一番合うのはアクエリアスだと断言できる。おい聞いてるか?ギャル。
飲み続けていくなかで、アクエリアスが持つさらなる強みに気づくことができた。
「飽きなさ」だ。
先程から熱中症かのようにアクエリアスをがぶ飲みしているが、それほど嫌さはない。長時間居座ることが多いネットカフェとはまさに相性抜群である。これがコーラだったとしたらこんな一気に飲めるだろうか。
こんなに快活CLUBでアクエリアスの事を想いながら飲んでいる客は今までいたのだろうか。
思い出してみればアクエリアスと出会う時はいつも学生時代の部活の休憩や差し入れの時だ。とにかく果糖ぶどう糖液糖を体に取り込もうと、乱暴にアクエリアスを飲んでいたが、ちゃんと味わって飲むのは今回が初めてなのかもしれない。
しんどい。もういらなくなってきた。
この時点でトイレに2回行っている。腹も膀胱もパンパンである。
やはり同じ味の液体を流し続けるというのは相当体に負担がかかることなのかもしれない。
なので少し気分を切り替えるためにドリンクバーのアクエリアスを飲んでみる。
賢い皆さんならどちらが無料のドリンクバーから注いできたアクエリアスか一目瞭然だろう。右である。
少しばかりか右の方が味が薄い気がする。それと匂いは左の方がフルーティーな香りがする。明らかに購入したアクエリアスの方が良い味をしている。貧乏人のGACKTと名乗らさせていただきます。
本質に気づいてしまった。慎ましく心を落ち着かせる「静」と身体を動かし周りに変化を及ぼす「動」を司るアクエリアスはさしずめ「わびさび」の精神を含む風流の飲み物であるに違いない。時代が違えば千利休もアクエリの道に進んでいたのかもしれない。
ようやく2L完飲できた。
人生でこんなに一度にアクエリアスを飲んだのは初めてである。めちゃくちゃいい汗が今なら出そう。
今回はアクエリアスと快活CLUBの不思議な関係、思わぬライバル、そしてアクエリアスの素晴らしさに気付くことができた。さらに快活CLUBで飲んだアクエリアスの量だけならだれにも負けないという自信もつき、賭博黙示録カイジも全巻読破することができた。これを読んでいるあなたも是非快活CLUBでアクエリアスを飲んでみてはどうだろうか。きっと新たな発見、おいしさ、そしてコカ・コーラ社への感謝の気持ちがとめどなく溢れるだろう。
つい少し熱くなってしまった。少し水分を、と思ったが持ってきた分のアクエリアスは全て飲み干してしまった。
でも、大丈夫。
快活CLUBのドリンクバーにはアクエリアスがある。